こんにちは。yu-coachです。
今回はコーチングにおいても、基本的なスキルの一つである
【ペーシング】についてのお話をしていきます。
【ペーシング】とは、
相手とコミュニケーションするうえで「ペース」合わせること。
相手の「状態」、「話し方」、「呼吸」等を合わせていくことですが
そもそも、何のためにするのでしょうか?
以前、ドキュメンタリー番組で、
介護施設の特集を行っていました。
その一場面が印象的でしたのでご紹介いたします。
介護施設に入居されているAさん(80代)は
普段はとても穏やかな女性で笑顔が絶えない方です。
その日、Aさんは1日中、テーブルにうつ伏せになっていました。
担当スタッフのBさんが声をかけても反応せず、
食事の時間になっても、食べない、飲まないという状態でした。
(体調が悪いということでもないらしいのです。)
Bさんは「どうしたらいいのか」と考えていましたが
ふと、Aさんの隣の席に座って
Aさんと同じように、テーブルにうつ伏せになってみたのです。
しばらく同じ姿勢をしていたBさんは、
「Aさんは、こんな気持ちなのかしら…」と
Aさんの内面を感じたそうです。
Bさんが「Aさん、これでは食べたくないよね。」と、ぽそっと呟いた時
何時間もテーブルにうつ伏せだったAさんが
少しだけ顔をあげて、Bさんの方をチラッと見たのでした。
Bさんは、その様子に気づき
「Aさん、そのままでいいですよ。なにか飲みますか?」と声をかけると
AさんはBさんを数秒見つめ、小さく頷いたのです。
私はこの場面を見た時に、心に何かが響きました。
書籍 「コーチングハンドブック (著者/山崎啓支)」 では
【ペーシング】について、こう書かれています。
『相手の世界観を尊重すると相手の無意識は心を開く』
スタッフ Bさんが、実際にAさんと同じ姿勢をしてみたことは
「Aさんの状態を理解したい」(=Aさんの内面に近づくため)
という気持ちがあって行われたのです。
Bさんの在り方は、目に見えないことですが
エネルギーとしてAさんに伝わったのだと思います。
コミュニケーションは言葉を通してだけでなく
言葉以前の在り方が相手に伝わるのですね。
もちろん、コーチングでも同じです。
コーチに自分のことを理解されたと感じた時に
安心して心を開き、本音を話せる場ができるのだと思います。
【ペーシング】とは
相手に安心を感じてもらうための第一歩。
今回はあらためて【ペーシング】について、
思いを巡らせてみました。
最後までお読みいただきありがとうございました。